疑問の種が生んだ水への興味、芽吹いたクリスターが健康生活に花咲かす

＜生け簀をピカピカにしたら「イカん！」＞

（株）クリスターは水道管と直結させることで水道水をミネラルバランスのとれた水に変えて提供することができる『ミネラルクリスター』（クリスター）を主として取り扱うヘルスケアのプロフェッショナル集団である。

同社代表取締役社長岩本藤光氏は佐賀県出身。実家は農業を営んでいたが岩本氏が社会へ踏み出した頃は『バブル』絶頂期。民間企業で勤めることが疑いもない高収入への近道だった。岩本氏は西武鉄道（株）を始めとして着実にサラリーマンとして経験を積んでいくが、ある時「（バブルは）いつまで続くだろうか？」と漠然とした不安を抱き、40歳で別の道を模索することに。とはいってもすぐにアイデアが閃くわけもなく、岩本氏は悶々とした日々を過ごした。

そんな折、料亭の生け簀（す）を清掃する機会を得、岩本氏はピッカピカに磨き上げて見せたのだが、翌日岩本氏を待っていたのは腕組みをし、ため息を吐く板長だった。

それもそのはず。岩本氏が磨き上げたはずの生け簀は真っ黒けになっていたのだ。「生け簀には魚類の中でも最も環境変化に敏感といわれるヤリイカが入っていたのです。そしてヤリイカは苦しいと墨を吐くんですよ。ご存知でした？」（岩本氏）。

板長は「しょんなか」といってくれたが、この『ヤリイカ事件』は岩本氏の仕事人魂に火を点けた。

岩本氏はまず生け簀に循環装置を取り付けて生け簀内に流れをつくることにした。これなら生け簀内のイカたちも故郷の海を感じられストレスもないんだろというもの。だが人工的な流れがもたらしたのは泳がされるイカたちのドタバタ劇。「これはイカん！」と流れを弱めに設定。すると今度は生け簀内に水の滞留が生まれすぐに生け簀が澱んでしまう。

次の一手をどうするのか。岩本氏が考え出した答えこそ『水そのもの』へのアプローチである。自然界の海、清流の仕組みを自ら学び、専門家の意見も取り入れ、良質な水には天然鉱石と悪玉菌を食べる微生物の存在が生みだす『ミネラル成分のバランス』が不可欠であることに辿り着く。岩本氏が『本物の』天然水と呼べる水を提供する術を手にした瞬間だった。

岩本氏はまず生け簀用の水として提供を開始。運命の相手とも呼べるイカは活き活きと泳ぎ回り、新鮮な身を提供するにいたる。

次いで岩本氏が提供先として目をつけたのが花屋である。店先で水を張ったバケツに収めてある切り花を見ての閃きがあった。花屋の主人からは早速「（花の）艶がよくなった」と評判に。さらには『人の体にもよかろうね』と太鼓判をもらうが、当時の岩本氏は『飲み水』としての展開は考えてなく、その場は「絶対飲まんどいて下さいよ！」と万が一を考えてあたふたするのみだった。

＜たかが水、されど水。飲めばわかる＞

「とにかく取り付けて、体験をしてみてください！」

岩本氏はミネラルバランスばっちりの水を生成するクリスターが人の体にも良いことを、持ち前の勤勉さと実際にクリスター生成水を飲み続けることで得た自らの健康体を何よりの証拠とし、まずはマンションの住民たちを相手に売り込みを開始。ほとんど相手にしてもらえないなかで、地場福岡のディベロッパー企業にチャンスをもらい、岩本氏は見事そのチャンスをものにする。

そこからは人から人へ『口コミ』でクリスター効果のスゴさは広がっていき、福岡、九州を飛び越え今では日本どころか世界でも注目されている。

「あまり『商売！商売！』という感じはなく『人の役に立ちたい』という想いでここまで来ました。（今の状況に至るまで）30年以上かかりましたが『体調がよくなりました。ありがとうございます』という感謝の声を頂く度に、やってきて良かったと思います」（岩本氏）

現在ではクリスターは押しも押されぬ健康支援水生成機。岩本氏の『誰かのために』という貢献意識の高さは、先の東日本大震災における被災者へのクリスターを使った足湯用設備の提供、及び提供後の定期メンテナンス（現在でも『サービス』として続いている）と言う形で現れている。

この足湯用設備、福岡でも警固神社において利用することができる。祈願がてらクリスターの効能をつま先から体感してみるのもいいだろう。

難しいとされるミネラルバランスもばっちり。身体にもよいクリスター。次は誰の役に立ってくれるのか？尋ねてみると岩本氏は次のように答えてくれた。

「先の福岡、北九州マラソンでマッサージエリアに当社のクリスターを使用した足湯設備を提供させてもらいました。疲れたランナーの皆さんはもちろん、応援に来られていたご家族の方にも『芯から温まる』と好評で、次の東京マラソンにも設置が決まっております。2020年には東京五輪もありますし、スポーツの場でも貢献したいと考えております」

心も体も温まる『ぽかぽかクリスター』の今後に要注目だ。